福山にて、松竹大歌舞伎を見に行く

その他芸術

歌舞伎といえば、いつかは見に行きたいと思えどもなかなか敷居が高く行かず終いでした。

そこへ、師匠の富田先生が弟子がにっほんの芸能で能「土蜘蛛」の解説をするので、見るように言われ、同じ演目の歌舞伎が、福山で見れることがわかりました。

う〜ん、行きたい、でも東京とは言わないけど、福山も遠い。思案しながら、歌舞伎、文楽に目の無い息子に誘ってみると二つ返事で「是非いきたい」というので、即決定。

ついでに観劇はジャニーズしか行かない娘にも嗜みの一つといって首根っこ引っ張っていきました。

話がわからないのではと思い、下調べであらすじを勉強していきました。

話の始まりやクライマックスになると床に拍子木で、叩き込む音は正に魂に響くような、また足で「イッヤー」と踏み込むのも日本人の原点のような、シャキッとしました。

満開の菊花壇を背景に平家方と源氏方の腹の探りあいの「菊畑」と「土蜘蛛」では土蜘蛛の精が武者達を相手に次々と糸を繰り出す豪華な立ち回りでした。

よく日本の伝統的な文化の柱として、「腰肚文化」「息の文化」の二つが挙げられますが、この歌舞伎にはまさしく隅々までそれらが感じられるるようでした。

義太夫の見事なまでの台詞まわし、長唄三味線の潔い程の音色、役者の響かわたるはっきりとした発声と腰にグッと力が入った踏ん張りの効いた力強さには、長年の伝統文化の継承と日々の鍛錬に腰肚、息に魂を吹き込んできた集約といえ、息を呑むほど圧巻でした。

私の勉強してる「地唄」もお腹から発声、発音、情感といとまが無い程稽古に忙しいですが、今日の観劇を励みに深く息を吸い、朗々と声をだせるよう鍛錬していきたいなと思う時間でした。

また腰を据え肚を決めた力強さは日本の生活や文化の隅々にあるようです。新たにまた見直し、邦楽の継承と共に大切にしたい気がしました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました