昨日はいつも一緒に合わせていただく尺八の宮崎紅山さんの単独コンサートを聞きに、家族で山口に行って来ました。
入り口は気取らない和服の出立ちで迎えていただき、ステージの正面は主催でもある妹さんの着物の手作りのタペストリーが掲げられ、宮崎さんの奏者としての背景や世界観を思わせるセッティングでした。
司会進行も曲の世界に入り込めるような誘い口上でした。
ソロは物語のように吹かれる尺八がいろんな情景を描きだしてくれ、
おそらく宮崎さんの優しさのこもった感性で隅々まで吹ききる様がそうしてくれるのでしょう、何曲もソロに聞きいるのは初めてでした。
特に「片足鳥居の映像」が、実際に長崎におもむき、目で見て肌で感じたことを織り交ぜながら話してくださるから、宮崎さんの長崎への思いを胸に、受け取る側も覚悟してきくせいか、曲に込められた反戦への思いとして特に感じられました。
思想性のある大曲もまた聞いてみたいと思いました。
「中原中也、金子みすず、山頭火の作品」にご自分自作の演奏をつけたのは、尺八の魅力がよく伝わり、昔懐かしい子供時代にもどったような気分でした。
斉藤隆介作「ソメコとオニ」は劇団シバイヌさんの力強くかつユーモラスな朗読に宮崎さん作曲の演奏が情景豊かで邦楽にぴったりの選曲だとおもいました。
最後を締める曲も「孤愁」でかっこよかったです。
企画に統一性があり、
1人の方のコンサートって
ご本人の世界を集約した上でこんなにも素敵なものができあがるのだと、一音楽をするものにとっては、創作意欲をそそられる時間でもあり、表現活動への励みも沢山頂きました。
また、コロナ禍や前日の地震もあってさぞかし心痛める事もあったでしょうが、本人のお人柄からくる家族や周りの支えも感じられ、聴く側は一重に至福の時間を頂いた思いです。
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